Sunday, February 9, 2014

儀式について考える

先日、十数年親交のあった友人が亡くなり、この週末に葬儀が執り行われました。

このブログは、柴犬幸希の生活についてあれこれ綴る「犬ブログ」ですし、「ブログ村」も100%犬ブログに登録しているので、ここにこういうことを書くのが適当かどうかかなり迷ったのですが、幸希ログを読んで下さっている方の中には「海外の生活」に興味がある方もいるかもしれないので、書いてみることにしました。

私は、日本で葬儀に参列した経験が非常に限られていますし、それらがいずれも仏式であったため、キリスト教式のと比較すること自体無理があるかもしれません。そして、私が参列したキリスト教式の葬儀は、いずれも米国聖公会の教会で行われたため、見解が偏っていることもあると思います。しかし、同じ「死者を弔う」という儀式ではあっても、この二つの国の様式にはかなり違いが見られるので、気が付いたことを数点指摘してみたいと思います。

・式次第
通常のミサやサービスとほぼ同じ順番で行われます。読まれる聖書の箇所はもちろん目的に合致したものになり、遺族や友人が故人の思い出を語る、という通常のミサやサービスにはないものも加わりますが、基本的には「言葉による儀式」と「聖体拝受による儀式」の二部構成になっています。教会で行われる結婚式の場合も同様ですが、故人あるいは遺族が希望の聖書の箇所、歌う歌などを選ぶことになっているはずです。

・棺
米国では、日本のように火葬が義務づけられているわけではないので、葬儀によって棺が存在することもしないこともあります。今回は、埋葬後に葬儀が行われたので、棺だけでなく故人の写真もありませんでした。式次第のパンフレットの表紙にのみ、故人の写真が印刷されていました 。

・聖体拝受
故人はカトリック信者でしたが、葬儀は米国聖公会の教会で行われました。通常このような場合、聖体拝受は米国聖公会の信者に限られ、それ以外の人は祈りを受けるだけになるのですが、今回は故人の意志で、「あなたの信仰でそれがどうしても受け入れらない人のみ、聖体拝受をしないで下さい」という指示がありました。つまり、カトリックでもプロテスタントでも、何らかの形でキリスト教を信じている人は皆、聖体拝受を共有したいという故人の希望だったわけです。

・香典
北米には、アジア諸国のように冠婚葬祭に際してお金のギフトの習慣がないので、日本の香典に当たるものもありません。伝統的には、お悔やみのカードに花を添えて贈るのが一般的ですが、最近は花の代わりに「もし故人や遺族のために何かして下さる場合には、〜に寄附をお願いします」と書かれていることが多いです。病気で亡くなった方の場合は、その病気の研究機関への寄附、専門職に長年従事していた方の場合は、その分野の若い人材を育てるための機関への寄附など、遺族のためというよりは、もう少し広い視野で物事を捉えるケースが多いようです。

・服装
これが、日本で参列した葬儀と一番違っている点かもしれません。 日本で喪服といえば黒以外見たことがありませんが、こちらはそうでもありません。そもそも、日本のように「喪服」というスタンダードな服が存在するわけではないので、皆自分の手持ちの中から適当だと思えるものを着て行くことになります。女性も男性も一般的に暗い色のスーツなどが多いですが、特に女性はそうではないこともあります。最初はびっくりしましたが、服が黒ではないからといって故人を偲ぶ気持ちに遜色があるといるわけではない、と次第に思えるようになりました。しかし、今回も「えっ?」と思うような服装の人がいたことも事実。

例えば、色々な色のボーダーのクルーネック・セーターを着ていた女性。若いため「葬儀参列の経験が少なくて分からなかったから、こんなの着てきちゃった」 というわけではなく、髪全体がきれいな白髪になっているような年齢の人でしたから、「このセーターが葬儀に適当」と思っているはずですよね。そして、黒のジャケットのインナーが濃いピンクで、さらに赤いストールを巻いていた人。「全身黒じゃダサいから、指し色をちょっと加えて」という感覚なのでしょうか。その他にも、青を基調とした柄物のワンピースの人、ほとんどアニマル・プリントに見える複雑な柄のセーターの女性など、日本だったらちょっと考えられないような服装の人も見かけました。

初めて葬儀に参列した時に、参列者の服装の多様性に驚いたので後からかなり調べてみたのですが、やはり一般的には「目立たない色、形の服」が推奨されているようです。今回も、さすがに遺族は小さい子供も含めて皆黒一色でしたが、参列者の服装は「どこかに行く途中で葬儀のことを小耳に挟んだので、ちょっと寄ってみた」というような人もいました。

しかし今回に限っては、服装に関して私も大きなことが言える立場ではありません。 周りの人から「非常識な人」と見られていたかもしれません。友人の葬儀だからといって、急に足指骨折が治癒し普通の靴が履ける状態になるわけはなく、最後まで迷ったのですが、結局黒のクロックスで行きました。足元がそのような状態なので、事情により急遽日本で調達することになった喪服(ワンピース・タイプ)があるにも関わらずそれを着ることができず。黒のパンツ・スーツでインナーもプレーンな黒にしましたが、足元だけ見たら「葬儀にサンダル履きの人がいたよ」と言われても仕方がない状態。

まあ偶然なのですが、参列者の中に足骨折で松葉杖の人(ギブスはかなり派手な模様付き)、背骨骨折か何かでしょうか。腰から首、そして後頭部を支えるコルセットのようなもの着用の人など、誰が見ても体の不具合が分かる人もいたので、足元クロックスも許してもらえたら幸いです。

・レセプション
教会での式の後に、場所を変えてレセプションが行われることもあります。今回は、ホテルの広間でしたが、軽食、デザート、飲み物が用意されていて、遺族と葬儀に参列した人が集まる場が設けられていました。だいたい皆が集まった頃に、故人の写真のスライドショーが行われました。

しかし、人々が話していることは必ずしも故人の思い出というわけではなく、私はある人から「最近仕事、どう?」という挨拶的なスモール・トークだけでなく、かなり突っ込んだことまで訊かれて唖然としてしまいました。まあ、この人は元々常識に欠けるところがあり、以前も何度か「どう考えてもそれは場違いでしょう?」と思えるようなKY的話題を振られたりしたことがあるので、自分がなぜ今その場にいるのか忘れてしまったことから来ることだったのでしょう。適当にあしらっておきましたが、故人のスライドを見ながら皆が「そうそう、あの頃のことよく覚えている」というような会話をしている横で、このように全く関係ないことを話している人がいることも事実でした。

日本だから、米国だからというよりは、この特定のケースだからということが存在するのも事実ですが、 「外国」に住んでいてもそう日常的に経験する機会がない儀式について、今回は書いてみました。


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